賢い人の分散投資−1.5

5. 分散投資のノウハウ

分散投資は、誰でも多かれ少なかれやっていることである。この分散投資をできるだけ幅広くした形で行なうことは、何ら難しいものではない。投資信託を利用すれば誰にでも簡単にできる。この種の分散投資をするにあたって、はっきり言ってノウハウらしいノウハウは要らない。

むしろ、分散投資をどの程度でとどめるべきかを考え、やり過ぎないようにすることの方が難しそうだ。分散投資の重要性をいかに熱心に説く人でも、投資詐欺事件が横行している中で、いかがわしい投資話にも少しくらい投資すべきだと言う人はいないであろう。また、信頼できる情報が不足し、将来性のよく分からない非上場株についても、万遍なく投資をすべきだとは考えないであろう。

このように、リスクばかりが多く、それに見合ったリターンの見込めない投資は避けた方がよい。野球では、よい打者ほど選球眼が優れ、悪い球には手を出さない。悪い球に手を出すと、打率が下がる一方である。幅広く分散投資をやり過ぎると、運用成績は下がる一方となる。

現在のわが国で、リスクの高い非上場株を含めた分散投資をしている人は少ないと思われるが、よく吟味をしないまま、リスクの高い新興国を含めた分散投資をしている人はかなり多そうだ。

  
   
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