賢い人の分散投資−1.6

6. プロにお任せ

分散投資をする場合でも、個別株式や個別債券で分散投資をする方法と、投資信託で分散投資をする方法とがある。個別株式や個別債券で投資をする方法は銘柄選択に時間がかかるし、売買手続きに手間もかかる。このような煩雑さを避けたい人や、自分で銘柄を選ぶ自信がない人は投資信託を利用することになる。投資信託は分散投資において非常に便利なツールである。

金融機関が主催する資産運用セミナーに参加をしてみると、そこで強調されていることが通常2つあり、「分散投資が大事ですよ」ということと、分散投資をするにあたっては「プロにお任せ下さい」ということがポイントであるようだ。この2点を踏まえて、プロが銘柄を選んでくれる分散投資型の商品として、その金融機関で販売している投資信託を購入することが最適な資産運用であるという結論に至る。投資信託は、どれもファンドマネージャーと呼ばれる金融機関の専門家が運用をしている。このような専門家が、プロという名に値する仕事をしてくれるのであれば、すべての投資信託はプロが運用しているのだから、どれを選んでも優れた成績が期待できることになる。

しかし、プロとしての腕前を本当に信頼してもよいものだろうか。 一部の金融機関の投資信託の中で優れたものが含まれている可能性があるのかもしれないが、これまでに販売された投資信託すべての平均でみると、運用成績が決してかんばしくないということは、最近では、ほとんどの人が、多かれ少なかれ知っている。

  
   
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