（B） 過去によい実績を残した投資信託は、その後よい成績を続けるわけではない

1976年から1980年までの5年間で最もよい成績を残したトップ10の投資信託について、その後5年間の運用成績を調査したものがある。その成績を S&P 500株価指数と比較をしたところ、株価指数（市場平均）を2.2%下回っていた。さらに1977年から1981年までなどと、1年ずつずらしながら同様な比較を1990年まで11回行なうと、上回っていたのは2回だけで、下回っていたのは9回であり、11回の平均成績として、市場平均を1.7%下回っていた。（注１）

しばしば雑誌などで運用成績トップ10などという表が掲載され、それを見て成績のよかったものに投資をする人が少なくないと思われるが、過去によい成績を残した投資信託が引き続き平均を上回る成績をあげるよりも、平均を下回る可能性の方がむしろ高いということである。

別の調査では、1970年代と1980年代を通じて運用成績の優れていた投資信託を成績順に並べ、上位4分の1のグループに属する投資信託のその後10年間の成績を追跡したものもある。追跡調査の結果、上位グループの投資信託のうち97%のものが、上位グループから脱落し、米国の代表的市場平均であるS&P 500株価指数並みかそれ以下に成績を下げていた。期間を1987年から1997年までに変えて、同じように上位4分の1の成績を残した投資信託を追跡調査したところ、100%、つまりすべてのものが市場平均並みかそれ以下に成績を下げていた。（注２）

（注１）Austin Pryor, Sound Mind Investing 「Is There Predictive Value in the Long-Term Track Records of Mutual Funds?」 http://www.thekingz.net/index.php?page=investing/ predict.inc.php&bg?image=investing/Newspaper.　jpg  2010/09/13

（注２）Common Sense on Mutual Funds by John C. Bogle, page 94-96 「Do not Overrate Past Fund Performance」 http://finance,yahoo.com/funds/how?to?choose/article/100564/　Do?Not?Overrate?Past?Performance    2010/09/10