賢い人の分散投資−2.12

  

12. 単なる分散投資はリスでもできる

幅広く分散投資をした場合の運用成績は、好調な企業グループのみに投資をした場合の運用成績を下回る。それは、幅広く分散投資をすることによって、好調な企業グループのみならず、不調な企業グループにも合わせて投資をすることになり、運用成績を引き下げることになるからである。結果として、平均的な水準の運用成績が得られる。

このように平均的な成績でよいということであれば、この種の幅広い無差別分散投資をするために、運用のノウハウは何ら不要であり、誰でもできる簡便さがある。

世間でよく使われる表現を使うならば、「単なる分散投資は犬や猫でもできる」ということになるかもしれない。しかし、最近のテレビなどを見ていると、犬や猫はどんどん賢くなってきているようである。しっかりと自分の意見を述べたり、立派なパフォーマンスをしたりするような犬や猫も出てきており、このような表現が不適切になりつつあるようだ。さらに、この種の表現はそもそも犬や猫に対して失礼であると、犬好き、猫好きの人に言われそうな気もする。

そこで「単なる分散投資はリスでもできる」と述べることにしたい。リスは、秋に木の実を地中に埋めて冬に備えるが、6割がたの木の実はどこに埋めたか忘れてしまうと言われている。筆者も物忘れという点では、あまりリスのことをとやかく言う資格がないような気もしないでもないが、この賢いとは言い難く、愛らしいリスであれば、非礼をとがめられる懸念が少なさそうなので、「単なる分散投資はリスでもできる」と言わせて頂くこととしたい。

ともかく、分散投資はリスでもできる。平均的な投資家を上回る成績を収めようというのであれば一定のノウハウが必要となろうが、単なる分散投資であれば、そこにノウハウは必要ない。リスが手当たり次第に付近の地面を掘って木の実を埋めるのと同じように、できるだけランダムに、何も考えずに手当たり次第に投資先を決めればよい。このような分散投資なら、誰にでもできる。

好調な成績のグループを選ぶ自信のない人々が幅広い無差別分散投資をする。この無差別分散投資をした場合には、周囲の人よりも悪い成績となる可能性がほとんどなくなるのと同時に、他の人よりもよい成績を収める可能性もほとんどなくなる。これはよい先を選ぶことのできない人がやむを得ず採用する方法である。

様々な国の様々な種類の資産に分散投資をしている人がこれに該当し、わが国では、投資信託を利用しながら、そのような資産運用をしている人が極めて多い。

  
   
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