賢い人の分散投資−2.2

2. ETFの種類

世界の投資信託市場では、ETFの種類が2021年末現在で約8,800種類、残高は約9兆ドル(約1,200兆円)に達する。しかも、年平均10%近い速度で増え続けている。もともと、ニューヨーク市場や、ロンドンなどの欧州市場で上場されるものが多かったが、近年、香港市場で上場されるものも増えている。

東京市場、大阪市場でも、ここ数年の規制緩和でETFの種類が増加しつつある。わが国では、1995年に初めてのETF として「日経300株価指数連動型上場投資信託」が登場したが、その後10年くらいは、あまり種類が増えるということもなく、数年前まで、10本(種類)前後という時期が続いていた。ところが、近年の規制緩和で、種類が急増し、2022年末現在で約300本となっている。これに加えて、海外市場に上場されている主なETF、約450本も、一部の日本の証券会社で購入できる。(主なものを後述の表に記載)

このように、わが国で購入できるETFの種類が増えてきたものの、日本のETFの残高総額という点ではあまり伸びていない。2021年末時点で実質 8兆円と、米国の100分の1の規模に過ぎない。これには、日本株の市場環境の影響がありそうだ。わが国の景気動向を反映して上場企業の業績が伸び悩み、全般的な日本株の株価上昇期待が薄れる中で、日本の上場企業を対象としたETFに対する投資が停滞気味なのだ。外国株を対象としたETFに対する日本人の投資は伸びているものの、日本株を対象としたETFは伸び悩んでいる。

  
   
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