賢い人の分散投資−2.6D

  

(D) 複数の新興国株式対象型ETF(約10本)

複数の新興国株式を扱ったETFも存在する。その中でも、「バンガード・エマージング・マーケット ETF」と、「i シェアーズ MSCI エマージング・マーケット・インデックス・ファンド」は純資産額がそれぞれ3兆円を超える巨大なものである。

ただし、世界の株式市場の時価総額(浮動株調整後)でみた場合、先進国のシェアが87%を占めており、新興国は全部合わせても13%に過ぎない。(注) したがって、新興国株式だけで、運用資産の20%以上といった大きな割合の投資をすることは、国際分散投資といってもかたよっている面がある。また、新興国経済については、現在人気が高く、世界各国から資金を集めているが、ひとつの国に信用不安が起きた場合に、投資家の不安心理の連想ゲームが働いて、他の新興国からも資金が引上げられ、株価が一斉に暴落するということも起こりうる。したがって、複数国とはいえ、新興国に高い割合の投資をするのは、リスク分散という観点からは注意を要する。

 

主なETFの名称 ティッカー 連動対象株価指数 年間総
経費率
最低購
入代金
純資産
(億円)
バンガード・エマージング・
マーケット ETF
VWO MSCI エマージング マーケット指数 0.27% 約4万円 36,408 ($44bn)
i シェアーズ MSCI エマージング・
マーケット・インデックス・ファンド
EEM MSCI エマージング マーケット指数 0.69〜0.75% 約4万円 33,660 ($41bn)
i シェアーズ S&P ラテンアメリカ
40 インデックス・ファンド
I LF S&P ラテンアメリカ 40 インデックス 0.50% 約4万円 2,424 ($3.0bn)

  

(注1) 各国の株式市場の規模を判断する場合に時価総額を用いる。その際に、各国政府や創業者が保有していて、一般の投資家が売買できない部分を除くのが一般的である。新興国の上場企業の発行済み株式の中には、各国政府が保有していている割合が特に多いことから、浮動株調整前の時価総額シェアでは19%だが、浮動株調整後のシェアでは13%となる。なお、香港市場は通常、先進国市場に分類されており、その市場規模シェアは調整前5%、調整後2%である。

(注2) 『MSCI エマージング・マーケット・インデックス(指数)』は、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル・インクが算出する新興国投資における代表的な株価指数。
 対象国は25ヵ国前後で変動しているが、主な国としては、中国、韓国、台湾、フィリピン、タイ、マレーシア、インドネシア、インド、ポーランド、チェコ、ハンガリー、ロシア、トルコ、イスラエル、エジプト、モロッコ、南アフリカ、メキシコ、コロンビア、ペルー、ブラジル、チリなどである。

  
   
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