賢い人の分散投資−3.10

  

10. 選択的分散投資を行なう上で気をつけたいこと

ある業種が成長業種であったとしても、その業種を構成する企業がすべて伸びているというわけではないことは、ITバブルのところでも触れたとおりである。一般に、成長業種には、新しく参入してくる企業が多く、競争が厳しい。その結果、伸びる企業もあれば、競争に敗退していく企業もある。特に、技術革新の激しい業界の場合には、敗退していく企業が多数生まれる。したがって、成長業種のすべての企業を投資対象としたETFが、必ずしもよい成績を収めるとは限らない。

このように、成長のイメージだけでよい先を絞り込もうとすることには危険性がある。無差別分散投資のひとつ上のレベルの選択的分散投資に進むには、まず明らかに投資対象とすべきではないものを投資対象から外すことから始めるのがよいのではないかと思われる。どのようにして外すのかというと、リスクが高い投資や、平均的なリターンが低い投資を外すことである。よく「ハイリスク・ハイリターン」と言われるが、「ハイリスク」イコール「ハイリターン」ではない。ハイリスクでありながら、それに見合ったリターンが得られないものが実は多い。

リスクについては第4章で詳しく述べるが、ここで、選択的分散投資を行なう上で注意をした方がよいと思われることについて、いくつか説明をしておきたい。

  
   
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