賢い人の分散投資−3.7

  

7. よい投資先の見つけ方

株式投資でよい先を見つけるには、現在の株価が、どの程度まで将来の利益の伸びが既に織り込まれているのかということを考え合わせながら、それ以上に将来の利益が伸びる先、あるいは高い成長性が長期間にわたって続く先を見つけることが望ましい。しかし、そんなことは難しそうだという印象を持つかもしれない。

そんな時には、次のような基準であれば、見つけやすくなるのではないのだろうか。

(1)5年先にも利益を伸ばし続けていると考えられる先に投資をする。

多くの投資家は、3ヵ月先とか1年先といった、短い期間の成長性しか考慮していない。したがって、5年ないしそれ以上先にも利益を伸ばし続けていると考えられる先に投資をすれば、既に株価に織り込まれているものを上回る株価上昇を期待できる。また、現在は好調でも、数年後には業績が伸び悩むような先を外すこともできる。

(2)10年後に業績が悪化する可能性がかなりある先を避ける。

業績が不振で、立ち直りの可能性が乏しいような先を避ける必要があるのはもちろんのことだが、将来性の見通しにくい先も避けたい。たとえ10年後に高い利益をあげて、大きな値上がり益を得られる可能性があるとしても、同時に、業績が悪化して、大きな投資損失を生じる可能性もあるような投資先を避けた方が賢明だろう。

これらの2つの条件を満たすような投資先は、そんなに多くはないかもしれないが、きっといくつか見つかるはずだ。

なお、このような投資先を見つける際に、証券会社の社員や外務員を頼ることは難しい。通常、このような人々には、自分たちの手数料収入のために売りたい商品があったり、ノルマとして売らなければいけない商品があるので、それを買わされることになる可能性が高いからだ。

したがって、よい投資先を見つける際には、利害関係のある人々の勧めに惑わされることなく、自分で選び、判断することが重要となる。

  
   
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