賢い人の分散投資−5.1

  

第5章 国際分散投資

  

1. 選択的分散投資の適用

第3章で述べたように、分散投資においては、無差別に、何にでも投資をするのではなく、できるだけよい投資対象に絞って投資をすることが望ましい。よい投資対象が分からない場合でも、できるだけ悪い投資対象を外して投資をすべきである。

株式投資をする場合に、できるだけ悪い投資対象を外して投資をするとはいっても、コストの安いETFについて、低格付け先を外したETFとか、構造不況業種を外したETFなどといったものが、残念ながら現時点では見当たらない。したがって、このような分野では、ETFを利用した選択的分散投資がなかなか難しい。その点、国際分散投資の分野では、ETFを用いて投資に適した国だけを選びながら、選択的分散投資を行なうことが容易にできる。

現在、わが国では、国内企業の成長率が鈍化する中で、海外の投資機会を利用する国際分散投資が人気を集めている。国際分散投資の分野には様々なETFがあり、様々な市場を選ぶことができる。この分野で、好ましくない市場を外すことは、ぜひとも必要でもある。この国際分散投資について、単純に幅広く世界各国に投資をするのではなく、ローリスク・ハイリターンを目指して、どのようにして選択的分散投資をすべきかを次節以降で検討をしてみたい。

  
   
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