(株)FP総合研究所
 お役立ち情報:NISA戦略
NISA(ニーサ)で損をしないための戦略
   
    まずNISAの制度を正しく理解しましょう
       
トップページ      NISA (少額投資非課税制度ニーサ) が 2014年1月からスタートすることに
◆業務内容       なりました。 そしてそれに向けて、2013年の春頃から一般の方々に対する証券
   会社などの金融機関の勧誘が活発に行なわれるようになりました。
◆プロセス          
◆お約束        勧誘を受けると、すぐにその金融機関で口座を開きたくなるかもしれませんが、
   いったん申込みが受け付けられて 税務上の手続きが終わると、金融機関の
◆料金表       変更が4年間できなくなりますので、そんなに急ぐ必要はありません。 かなり
◆会社概要       複雑で分かりにくい制度ですので、あとになって後悔しないように、まず制度を
   よく理解し、どこの金融機関を選ぶかをじっくり考えてから手続きを始めましょう。
◆お問合せ       
◆お役立ち       
NISAを銀行マル優と同じようなものだと誤解しないでください
◆制度改正       
◆リンク集        この制度では、2014年1月から2023年末までの間に、毎年100万円ずつの
   範囲で、NISA口座で株式や株式投資信託などの運用を開始した場合、配当
      金・分配金・売却益について非課税となるというものです。 ただし、それぞれ
      の非課税期間は最長5年間(4年目の年末まで)ですので、5年以内に、その
       時点における時価100万円以下の分を次の非課税期間に移し替える必要が
       あって、非課税で運用できる額は最大500万円です。
        なお、その後の制度改正で、2016年1月からは、100万円の枠が120万円に
       引上げられましたので、最大運用可能額も現在は500万円から600万円に
       増額されました。
          
        昔は誰でも利用できた銀行預金のマル優と少し似ているので、投資マル優
       と呼ばれることもあります。 しかし、その利用方法は、銀行マル優とは大きく
       異なっていますので、注意が必要です。
          
        NISA口座の毎年の投資で利益が出た場合には非課税効果が得られます
       が、利益が得られなかった場合には何のメリットもありません。
        銀行マル優の場合は、運用する銀行預金などが元本割れを起こす心配が
       なかったので、預けていた期間に応じた利息がそのまま利益となって、その
       利益が非課税となるというものでした。 ですから、誰もが何らかのメリットを
      得られたわけです。
       これに対して、NISAで運用する商品は、元本価格が変動する商品です。
       最近の環境下では、投資する商品をかなり上手に選ばない限り、半数かそれ
       以上の方が投資元本を下回る結果となって、何もメリットを得られない可能性
       があります。
        これまでの証券口座で損失を出した場合には、損益通算という方法で、別の
       税務上のメリットを得ることもできましたが、NISAではそれができませんので、
       通常よりも不利な状況で、個別の非課税適用期間を終える方が多数出ること
       が懸念されます。
         
       わが国では、株式や株式投資信託での過去の運用成績を通算して、値上り
       益を得た人よりも、値下がりで損失をこうむった人の方が圧倒的に多いようです。
       今日でも、ほとんどの人は今何に投資をすれば利益が得られる可能性が高
      いのかということを正しく理解した上で投資をしているわけではありません。
       また、金融機関の人々の助言にしたがって投資をしたとしても、よりよい結果
      になるわけではないことも今ではよく知られています。 特に直前 2013年末の
      日本の株式市場が、経済の実態を超えた金融相場の色彩を強めているだけに、
      5年後、10年後に極めて多数の方々が元本割れの状態となっているのではない
      かと心配されます。
       
       
    NISA利用時の戦略
       
        価格が変動する商品で利益を出すためには、まず値上がりするような投資
       対象を選ぶ必要があります。 より正確には、値下がりする可能性が低く、値
       上がりする可能性が十分に高いものを選ぶ必要があります。
        次に、非課税期間が5年毎に区切られていますので、たとえ6年目以降に
       値上がりするとしても、5年目で損失となっているなら、最初の5年間は何も
       しない方がよかったということになります。 このように、5年という限られた期間
       で利益を出すことはなかなか難しいことですので、いくつかの戦略が必要にな
       ります。
          
    戦略 1   非課税枠を毎年使い切らない勇気を持つ! 
          
        非課税枠だからといって、毎年その枠を全額使い切ることが有利なわけでは
       ありません。 値上がりしそうな投資対象が見つからない年にはお休みをして、
       口座に資金を投入しないという勇気が必要です。 配当や分配金が非課税と
       なっても、元本がそれ以上に値下がりしたのでは、それこそ元も子もなくなり
       ます。
          
    戦略 2   5年目の期限まで利用しない勇気を持つ! 
          
        5年目のぎりぎりまで非課税枠を利用する必要はありません。 4年目まで
       利益が出ていたのに、5年目に値下がりして、結局、5年目の終りに元本割
       れしてしまったというのでは意味がありません。
        3年目とか4年目の段階で、ある程度利益が出ていて、その後、値上がりす
       る可能性よりも値下がりする可能性の方が高そうなら、その段階で売却すべき
       です。 その後の残された期間は、その枠を再利用することはできなくなります
       が、それでよいのです。 枠を全期間利用することが目的なのではなく、利益を
       出して非課税の特典を得ることが目的なのです。
          
    戦略 3   自信のない方の消極的対応策! 
          
        値上がりする可能性が高い投資対象を自分で見つけることができず、また
       信頼きる助言者も身近にいないという方は、やや消極的な方法として、実質
       的に公社債で運用している投資信託を選ぶ方法があります。 この場合には、
       元本割れを避けることが目的で、利回りの点は犠牲となりますが、それでも
なにがしかの非課税のメリットは得られます。
        ただし、公社債型とはいっても、信用度の低い債券や、新興国の通貨建て
       の債券が含まれているものは避けるべきです。 この種の債券は金利が高め
       なのですが、為替の下落などによって、それ以上に投資元本が目減りする
可能性が高いのです。
        先進国ではまだ低金利が続いていますので、ほとんど運用益は得られない
       かもしれませんが、それでも多少の運用益に対する非課税のメリットは得ら
       れますし、投資元本の値上がり益も得られるかもしれません。
          
       金融機関の人から、毎年100万円の枠を目いっぱい使い、5年間という期間も
       目いっぱい使うことが有利であるかのような説明を受けることが多いかと思い
       ますが、以上のように銀行マル優との違いを正しく理解すれば、資産運用の
       戦略も、銀行マル優の時代とは当然違ったものになるはずなのです。
          
       (注) その後の税制改正で、2015年1月以降は、1年単位で金融機関の変更
       が可能となり、また枠の再利用も可能となりました。
          
          
             
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